第8章 仲直り
「抱いて欲しいとは言ったけど…私の言う通りにして欲しいの。」
「君の言う通り?」
「そう。私がダメって言ったらやめて、言われたことだけして。」
「えぇ~。」
「嫌ならケルスのとこに戻る。」
「わかった!わかったから!」
私はひと息ついて、とりあえずはだけた服を直した。
「とりあえず胸には触らなくていいわ。」
「えっ。」
「なによ。」
「触りたい…。」
「ダメ。」
明らかにしょぼくれる彼だが、彼任せにしたらどうなってしまうか分かったものじゃない。身体が敏感なのをいい事にあれやそれやをされてしまう。
こういうことはパパッと済ますに限る。そう思って、自分のスカートをたくしあげて、パンツに手をかける。
そこで彼の視線に気がついた。
「ねぇ、目、つぶっててくれないかな。」
「え?見るのもダメなの?」
「なんか…恥ずかしいから…。」
「も~。」
彼はふてくされながらも目をつぶってくれた。
その間に私はするすると自分の下着を脱ぐ。自分から彼の前で下着を脱ぐのは初めてで、見られてないとは言え、ドキドキする。
スカートも汚れたらなんだか嫌なような気がして、脱いだ。パンツをスカートの中に隠してベッドの外に置く。
そして、私は自分の秘部に手を伸ばした。
「んっ……」
自慰をしたことない訳ではないが、明らかに普通の時とは違う感覚が走る。
「もしかして自分でしてるの?」
彼の顔がニヤついてる。
「う、うるさい。濡れてるか確かめてるの。」
「……ちゃんと奥まで濡れてなきゃ痛いよ?」
「わ、わかってるわよ…。」
私は指を中で伸ばす。ザラザラとした肉の感触が指にまとわりついてくる。指先に何かコリコリしたものがかすめるが、しっかり届かない。
「………」
「奥まで濡れてた?」
「…バックス。」
「ん?」
「奥まで…その…届かないの。あなたが確かめて。」
「もう目、開けていい?」
「いいわ。」
彼はその赤い瞳を覗かせる。私はとっさに閉じている足に力が入る。