第6章 約束
「すぅ…すぅ…」
彼女は体をくの字のように丸め、寝息を立てていた。彼はそんな彼女の髪を撫でる。
そして無防備な寝顔の頬を指でつつく。彼女はピクリともせず、寝たままだ。
彼女のネグリジェはそういう事がしやすいようにかなりミニの丈になっている。そこから見える白い太ももに思わず目がいく。
今晩、何回見てしまったことか。胸元も大きく開いていて、セクシーさを感じる。それを今晩は何度も目をそらして、誤魔化した。下半身に熱が集まる瞬間もあったが、彼女はそういうことを目ざとく見つけるタイプではなかったのが幸いした。
『一生私のこと抱かないで』
そう要求する彼女の顔を思い出す。
正直、今誰よりも抱きたい女性だが、我慢するしかなかった。無理やり抱いても、どんなに気持ちよくても、彼女は喜んでくれない。心を許してもらうには、その要求を飲むしかなかった。