第4章 標的は降谷零
ある程度の覚悟はしていたが、かおりからバーボンと泊まりで出掛けると聞いたときは、背筋が冷たくなった。
おまけに当の本人はバーボンと関係を持つことに嫌がる素振りも見せないんだから参る。
・・・久しぶりの恋はかなり辛いものになりそうだ。
どうせバーボンの事だ。俺の情報こそ欲しいのだろうが、俺への嫌がらせも含めて彼女を抱くんだろう。
本当はかおりに、俺でなければ嫌だと言わせたい。俺の元から離れられないようにしたい。俺だけのものにしてしまいたい。
そんな思いでこの数日間彼女に接した。
彼女はきっと、俺の感情に気付いている。困らせていると思う。
気付いているのなら、バーボンと会うのを止めてくれないかと少し期待もした。
俺のせいで彼女をこんなことに巻き込んでしまったようなものなのに、随分自分勝手な事であるのは分かっている。
しかしそんな我儘は通らず、これからかおりはバーボンと二人で浮気調査に向かおうとしている。