第4章 標的は降谷零
こぼれた涙を舌で拭われ、口付けられた。
少し、しょっぱい。
「はぁっ・・・ねぇ・・・っ赤井さん」
「そんな顔・・・俺以外には見せるなよ・・・っ」
「え・・・」
初めてそんな事を言われて少し戸惑う。
けれども、ピタりと蜜口にあてがわれた、熱くて硬いモノの方にすぐに意識が向いてしまって・・・ソレが早く欲しい・・・
唇が触れて、彼も入ってくる。
「あぁ・・・あっ」
奥まで沈められると身体が浮いて、赤井さんに抱き上げられる。反射的に首へ手を回してしがみついた。
「えっ!重いからっ・・・あぁっ!」
「重くない。俺はこれぐらいが好みだ」
「あっ・・・」
不安定な姿勢のはずなのに、しっかり支えてくれているからか、ちっとも怖いと思わなくて。むしろ安定してる。
いつもと違う場所を突かれて、これはこれで物凄く気持ちいい・・・
「あぁっあっ・・・あぁ・・・」
でもふと、先程の言葉がが脳裏に蘇る。
さっきの赤井さんの発言は、情事特有のものだったのか?これじゃあまるで・・・
「考え事する余裕があるのか?」
「へっ!?・・・あっ・・・」
「そんな分かりやすい顔してたら、バーボンには勝てないぞ」
「ひぁっ!・・・あっあぁ・・・」
奥の方をグリグリと刺激される。
身体から力が抜けそうになり、なんとか赤井さんの肩に捕まって体勢を保つ。
「だが今は・・・俺の事だけ考えろ・・・っ」
浴槽から出て、床に座る。途端に密着する肌と肌。こうやって彼とくっついているのが、わたしは本当に好きだ。
目を見て、軽く唇を突き出せばすぐにそれに応えて唇を合わせてくれて。
これ以上ないくらいに、キツく抱きしめられた。苦しいけど、嬉しい。
でも今日の赤井さんはどうもちょっとおかしい。
もしかして、わたしのこと、好きなのか?
あんなこと言われると勘違いしてしまう。
「かおり・・・」
耳元で囁かれてゾクゾクする。
「っ・・・名前を呼ぶだけで締まるんだな」
「赤井さんだからです・・・」
「本当に俺だけか?」
彼の瞳を見つめて自分から口付ける。
「わたしをこんな風にさせるのは、赤井さんだけです・・・っ」
中でビクッと跳ねる彼をわざと締め付けた。
「お前な・・・っ動くぞ」