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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第25章 異次元の狙撃手、その裏側。


ジェイムズさんを始め、キャメルさんもジョディさんも日本に留まったまま捜査はしている。
だが、現在黒の組織に関しては、ハッキリ言って相手がボロでも出してこない限りほぼ手詰まり状態。

そんな時にFBIの本部からジェイムズさんに指令が飛んできた。

なんでもアメリカで起きた殺人事件の容疑がかかった男が出国しており、日本に潜伏しているはずだからそちらで身柄を確保せよ、との事らしい。

その容疑者は、かつては米軍の英雄だったそうで。元米軍特殊部隊、ネイビーシールズの狙撃兵だと秀一さんは言う。


「スナイパーですか・・・」

「只の狙撃手では無い、世界でも指折りの実力者だ」

「うわー・・・そんなすごい奴が日本に」

「凄いと言っても、条件にもよるが・・・俺の方が腕は上だぞ」

「えっ・・・へぇ・・・」


続いて秀一さんは「長距離なら俺の右に出るものはいないからな」と豪語し出した。

それはまるで、“俺、マラソン大会はいつも表彰台だったんだぜ”と、結構いい歳した男性が言うような軽い言い方で。

秀一さんがFBIのエーススナイパーである事はキャメルさんから聞いた事がある、けど・・・ 秀一さん・・・赤井秀一って・・・そんなにすごい人物だったのか。世界一ってことなのか。

つい忘れそうになるけど・・・わたしってとんでもない人と一緒に居るんだった、と再認識させられることになる。







その翌週。
予定通りベルツリータワーが完成し、オープン前に招待客限定のお披露目を行っていた最中のこと。

ベルツリーの展望台、地上350メートル近い所だ。そこにいた男性が、外から射殺される事件が起こった。

エラリーでバイト中だったわたしは、テレビの速報でママや客達と共にそれを知り、「銃なんて物騒だねー」なんて口々に言ってたのだが。

そう言えば園子ちゃんからベルツリーに誘われた日も今日だったな、と思い出すと同時に嫌な予感が頭を過ぎる。

亡くなった男性の名前は阿笠博士でも毛利小五郎でもない事はすぐに分かったが、まだその濁った灰色の予感は続いている。


仕事を終えて家に帰ると、秀一さんは一人タブレットを睨みながら怖い顔をしていて・・・嫌な予感は当たったのかもしれない。
ある程度、身構えて「ただいま」を告げる。
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