第24章 交わらない男達の二日間
息が落ち着けば意識も冷静になってきて・・・
とんでもない事をしてしまったのでは、と別の冷たい汗が背筋を伝う。
そのありえない状況を作った昴さんを睨みつける。
「ああもう・・・こんな所で・・・昴さんなのに・・・信じられない」
(秀一さんならやりかねないとは思う)
「良さそうにしてたじゃないですか」
「・・・でもなんでココ」
「かおりさんは自分のモノだと・・・そちらの彼に見せつけてやりたかったんです」
「・・・寝てますけど」
「僕は見られても構わなかったんですがね、かおりさんは嫌がると思って眠らせました」
「当たり前です」
「・・・しかし・・・狭いベッドですね」
「こんなもんでしょ・・・」
また腰を押し付けて来る昴さんから逃げるように身体を捻りベッドから這い出て服をきちんと着直す。
くるっと後ろを向き、部屋を出るが、昴さんもすぐ後ろをついてくる。
今日の昴さんはどうもおかしい。やっぱりあれか、一日中“沖矢昴”でいて、人格が崩壊してきたのか。
冷蔵庫から冷たい水の入ったペットボトルを取り出しカップに注ぐ。一応、昴さんの分も注いで手渡す。
ゴクリと飲み込むと、冷たい液体が、まだ少し熱っぽい身体に染み渡った。
彼の脳ミソもいくらか冷えたようで「僕の事は気にせず休んでください」と寝室を促され。
まあ、安室さんもグッスリ寝てるみたいだし・・・大丈夫なのかな。
軽くおやすみのキスを交わし、その場で別れ自分の寝室へ行き、ベッドに入る。
“今夜は寝ないつもり”だと言ってた彼の手前、バレないようにしてたつもりなんだけど・・・気付かれてたのかもしれない。実は先程からとっても眠たかったのだ。
申し訳ないような有難いような・・・
ゆっくり瞼を閉じれば、あっという間に眠りの世界へ堕ちていく。