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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第23章 暗躍する工藤夫妻


新品のベッドを汗と体液で買ったその日の内に汚し、かおりを体力の限界まで抱き潰した張本人赤井秀一は、寝息を立て始めたかおりを横目に、服を着てそっと寝室を出た。

玄関の鍵をかけ、周囲に誰も居ない事を確認し、外に出る。
彼にとっては別に嬉しい事でも無いが綺麗な月夜。


ちなみに現在彼は沖矢昴の変装をしておらず、サングラスをかけ、ニット帽を少し目深に被っただけのシンプルな変装スタイルだ。



工藤邸の裏まで歩いてやって来た赤井は、身の丈程もある工藤邸の塀を簡単に登り越え、敷地の中へ入る。
そしてすぐに家の中で待っていた工藤優作に、裏口から招き入れられる。



「赤井くん、念の為確認するが・・・君がここに居る事はかおりちゃんには気付かれていないね?」

「ええ、彼女はぐっすり眠っています。朝まで目が覚めることはないでしょう」



なぜかおりに内緒で赤井が工藤邸へやって来たのか。

話は一昨日の夕方にまで遡る。


かおりが工藤邸のリビングのソファで眠っている間に、ロサンゼルスより工藤夫妻が帰宅したのだが、その際に優作と赤井は二人で話し込んでいた。


近々に工藤新一の現況を組織に探られるのは必至、つまり工藤邸に住むかおりにも組織の目が向く可能性は高く・・・

優作はこれ以上かおりを組織の件に関わらせる事を激しく嫌った。

赤井もそれには同意であり、だからつい先日からかおりと共に工藤邸を離れる計画を立てていると話した。




「降谷零くんは・・・分かりますよね」

「ああ、トリプルフェイスの彼だな・・・」

「ええ、彼の探り屋としての能力は十二分です、加えてこの近辺に詳しいとなると、彼がこの命を任されるのが当然かと思いますね・・・」

「成程」

「それから・・・あまり気分の良い話ではありませんが・・・彼はかおりの事を、かなり大事に思っているようです、俺や、あなたのように」

「・・・うん?・・・そうなのか」

「探りを入れてくるのが彼なら、かおりの事が組織に悪く伝わる事は無いでしょうね」

「だと仮定すると・・・」




降谷がおそらくこの工藤邸に再びやって来る、それをどう迎え撃つか。
その策を二人は練っていたのだ。
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