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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第16章 胸に秘めた


「お前、俺を襲う気か?」

「このままだと襲っちゃうかも・・・」

「まあ、待て。人が来るだろう」


秀一さんは、先程まで食事をしていたテーブルを見やっていて。

たしかに、その通りだ。

でも、すごいモヤモヤ。


「後でたっぷり可愛がってやる・・・」


額にキスをされて、しばらくそのまま動けずに固まるけど・・・

ゆっくりと、秀一さんの上から降りる。


「・・・くっついてたらまた触っちゃいそうなんで戻ります」

「そうだな」


仲居さんが入ってきても秀一さんが見えないように、一枚だけ障子を閉めて、また向かいの椅子に戻る。


お預けを喰らった犬って、こんな気分なんだろうか。
目の前に触れたくて仕方ない秀一さんがいるのに、触れられなくてもどかしい。

膝を抱えて椅子の上で縮こまる。


「秀一さぁん・・・触りたい」

「だから待てって、かおり」

「うー・・・」

「俺の裸を他人に見せびらかしたいのか」

「違いますー・・・」


盛大な溜息を吐いて、秀一さんは乱れた浴衣を直して身体ごと窓の方を向いてしまった。

すぐにでも触れたいのはわたしだけなのか。



モヤモヤしながらお酒を煽る秀一さんの横顔と喉を眺めているうちに、仲居さんがやってきた。


食器を下げるのを手伝い、朝食の時間を確認される。
そりゃあ、寝坊したいので一番遅い時間にしてもらって。

彼女が「おやすみなさい」と部屋を出ていった直後、背後から近付いてくる秀一さんの気配を感じた。


「・・・もう朝まで邪魔は入らんな」


途端に後ろから抱き締められて息が止まりそうになる。

身体を倒され、畳の上に組み敷かれて。

触れたくてたまらなかった秀一さんに、急に至近距離で見下ろされ、鼓動が一気に速くなってくる。


手を伸ばして首元に絡めると、待った無しで深く口付けられた。

舌を絡ませていく内に、頭がフワフワしてくる。

キスだけで、すっかり息は上がり、もうカラダも熱くて。


秀一さんの浴衣に手を滑り込ませ、背中に手を回すと、温泉のせいか、いつもよりすべすべした感触が心地良い。

勝手に肌蹴た胸元にまた目眩を起こしそうになる。
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