第14章 コーヒーブレイク
「すみません、お邪魔してしまって・・・」
「いえ、そんなことは・・・」
「すぐ帰りますからご心配なく。明日の出勤前に買ってくる食材の確認に来ただけですから。ごゆっくり。かおりさん、明日は仕事出れますよね?」
「はい。大丈夫です」
「ところで・・・」
安室さんが近寄ってきてわたし達の耳元で言い、昴さんが答える。
「こちらの盗聴器は確認しましたか?」
「大丈夫です。二階の事務所には仕掛けられていましたが・・・もう既に処理してあります」
「そうですか・・・随分慣れてらっしゃるんですね」
「まあ機械は元々得意ですし、先日FBIの方に御指南頂いたので」
「へえ、FBI・・・」
安室さんはカウンターの中に入り、冷蔵庫をパタパタと開け閉めし中を確認すると、本当にすぐに店から出ていった。
昴さんと顔を寄せ合って小声で話す。
「また一応、盗聴器確認しますか?」
「念には念を入れましょうか・・・」
店内を確認してもいつものごとく、何も出なかったけど。
「安室さん、気配消して入ってきましたよね・・・」
「僕も気付きませんでした・・・流石ですね」
「ほんと・・・気が抜けるのは家の中だけですね」
「ええ。今日は事務所は開けるんですか?」
「開けても依頼は来ないでしょうけど・・・」
「かおりさんが良ければ・・・どこか出掛けませんか。お天気も良いですし」
昴さんと映画を見に行くことになった。(天気関係ない)
現在公開中の映画を調べる。
恋愛モノとかアニメには秀一さん興味無さそうだから・・・
やっぱりアクションかミステリー系か。
お、有名スパイシリーズの新作がある・・・
「かおりさん、見たいものありますか?」
「うーん・・・これ?」
「奇遇ですね。僕もそれが一番気になっていました」
「ほんとに?気使ってません?」
「子どもの頃は彼に憧れていましたからね」
「今はどう思うの?」
「・・・見る視点は変わりましたが、やはり彼はイイ男だと思います」
某有名スパイ映画の続編を見に行くことになり。
時間的にちょうど良かった映画館へ車で向かう。
“デート”は久しぶりだ。