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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第12章 白妙の策略


ソファに戻ってきた零に謝る。


「お風呂・・・ごめんね」

「なんで謝るんだ?」

「わたしがここにいる間は零に少しでも休んでてもらおうと思ってた・・・」

「そんなの気にしなくていいって」

「でも」

「気持ちだけもらっておくよ」



お風呂の準備もでき、二人で向かい合って浴槽に浸かる。

零の手がこちらに伸びてきて、思わず身体が強張り、固まる。
身構えてるのが分かったのか、彼は声を上げて笑う。


「大丈夫だって。何もしないよ。ここで倒れられたら困るから」

「それはわたしも困る・・・」



良いのか悪いのか、何事もなくお風呂を済ませ。

ソファで寛いでいると零のスマートフォンにコナンくんから着信があり。


岡田探偵事務所に数分間何者かが侵入したようだと告げられる。
工藤邸の近くにも、見慣れない車が一台停車しているそうだ。

ベルモットの手先だろうか。


自分のことなのに、どこか他人事のように聞いていた話が、いよいよ現実味を帯びてきた。

怖い・・・のか。

自分で自分の手を握りしめると、少し震えていることに気付く。


「かおりさん、安心して。これも全部計画通りだから」

「うん・・・」


温かいお茶をいれてくれた零が隣に座り。
握りしめていた手を解かれて、零の両手で握り直される。


「絶対に、守るから」


ハッキリとそう断言されると、妙に安心してくるものだ。


「ありがとう・・・お茶もらうね」

「ああ。ハーブティーにしたんだ、ちょっと苦いけどリラックス効果もあるし美容にもいいよ。カフェインは入ってないから」

「零って女子力高いよね・・・」

「そうかな?」

「うん。あー・・・あったかーい・・・なんかほんとに落ち着く・・・」



でも気分が落ち着いていたのはほんの数分。

身体があったまったのか、ぽかぽかを通り越えてなんだか熱っぽいくらいになってきた。


「零ー、わたし風邪ひいたかも?」

「そうなのか?」


どれどれと、額をくっつけてくる零に、無性にドキドキする。


「たしかに。熱いな。もうベッド行こうか」


手を引かれて、寝室へ連れていかれる。

繋がれた手の指の先まで熱い気がする。


二人で横になって。

頭を撫でてくる零の手の感触が気持ちいい・・・

でも、何かおかしい。
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