お兄さま代わりに近衛隊に入ります?【神宮寺レン】 R18
第6章 おふざけも大概に
ポロポロと糸が切れたように急に泣き出す私
自分でもどうやって止めるかわからなくって...
だって今までまさと様のお嫁になると信じて励んできた
誰もが望む平凡で幸せな人生
幼い頃に初めて出会ってそれからずっと家族ぐるみでお付き合いしてきた
当たり前のように決まった婚約話
それが
こんな事になると思ってなかった
止まらない涙抱える腕ふわっとシトラスの香りに包まれる
「俺が無理やり奪っただけ は何も感じなくていい 奪ったから絶対離れないし離さない だから俺を見て まさとには俺から話をつける レオンのことも必ず 」
そう話しかけてくる殿下
「どうして無理やり奪ったのよ」
そう感情的に喚く
こんなの言ったって無駄だってわかってる
王族は絶対
気に入られたら最後逃げられない
今までも側室になった人がいるのも知ってる
でもなんでそれが私でしかも正室候補なの
そんな思いが巡る
殿下はそんな私を胸に抱き
「気が済むまで泣いていい けど絶対俺から離れないで」
そういいぎゅっと力を入れた