第2章 飲みに付き合え
少し古いBARにやってきてカウンターに座った。
「何飲む?」
「ライで」
俺の前でライを頼むのかと心の中乱れながら顔は平常心を保ち
「スコッチで」
それぞれ頼んだお酒が運ばれてきて一口ずつ飲む。マスターにごゆっくりと一言言われ周りをチラリと見れば俺達以外誰もいないことがわかる。まぁだからここを選んだのというのもあるが。
「お前はどうして警察になりたいと思った?」
聞きたいことは山程あったがなぜか勝手に口が動いていた。
「なんですか急に」
「気になったんだよ。どんな仕事も全力で取り組んでそれでいて感情を全く出さない。隈を作ってまでそこまでお前が守りたいものはなんだ?」
俺が真剣に聞いていることに驚きつつ一口ライを飲んでから彼女は答えた。