第1章 部下
「相楽…何をしている」
「何って明日の作戦の資料に目を通しているんですよ」
はぁ〜…とため息が出る。こいつは昔から仕事熱心というか、何事にも全力で取り組もうとするからよく目の下に隈ができていることを皆知っている。
「明日は早いんだ。もう帰れ」
「まだ明日のイメージが出来てないんです。降谷さんは先に帰っていいですよ」
そういうことじゃないと言い彼女から資料を取り上げる。
「イメージも大事だが体調管理も大事なことだ。お前はそこが出来ていない。もっと睡眠を取れ」
「降谷さんに言われたくありません」
こいつ!可愛げもねぇな!そんなことを思いながら俺は会議室の出口へと歩いて行く。
「おい、何してる。早く行くぞ」
「は?どこへですか?」
「たまには上司に付き合え」