第12章 Löwe
「そうっ!
陽葵っちはマスコットガールっスよ♬」
胸を張って自慢する黄瀬
おかげで女子だけでなく
男子までもがざわつき始めた
『・・・・・女性陣のみなさ~ん
黄瀬君が握手してくれるらしいですよ~』
「陽葵っち?」
『あとよろしくね黄瀬君♡』
黄瀬君を女性陣の前に押し出して
代わりに澤村と菅原の手を掴んだ
困惑する2人を壁にして隠れ
田中を手招きする
『見えないように隠してね』
「ああそう言う事か
良いかスガ、田中」
「オッケーオッケー
お安い御用だよ~」
「ハイ!喜んで協力します!!」
普通にスタスタと歩く澤村と菅原に対し
後ろからついてくる田中は
前から歩いてくる男に対して
明らかにガンを飛ばしている
「田中~顔が凄い事になってんべ?」
「田中っその顔ヤメロッ!」
『どうもありがとう
私は、日向陽葵です』
「俺は澤村大地
で、こっちが・・・」
「俺、菅原孝支
ヨロシク陽葵ちゃん♪」
「田中龍之介です!!」
『みんなはバレー部なんだね
私もバレー部マネージャーしてるの♪』
「へ~モデルしてるのにマネージャーもして
大変じゃないの?」
『ん~どっちかって言うと
モデルがおまけ?な感じかな』
「俺ファンなんです!
が、頑張ってくだしゃい!」
「噛んだな」
「噛んだべ」
「だぁーっ肝心な所で噛んじまったー!?」
『アハハッ
田中君は面白いね~』
「陽葵ちゃ~ん」
『土井さん!』
「そろそろ仕事の時間だけど
試合は観れた?」
『うん。ありがとう
思ってた通りの成長ぶりだったけど
今度あったら根性叩き直さないといけないなぁ~』
ぶつぶつ呟いていると会場から黄瀬が出てきた
『今日はありがとう。またね』
再度澤村たちにお礼言って
土井さんの車に乗り込み
仕事をこなして東京に帰った