第5章 その悪魔、降臨
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20分ほど経っただろうか。
横ではグレルがあくびをし、ロナルドが暇そうに髪を弄っていた。
眠いなぁ...なんて私もウトウトしかけたその時、
「キャーーーーーー!!!!」
女性の甲高い悲鳴が聞こえた。
グレルとロナルドがバッと瞬時に反応する。
「なんで!?気配は感じなかったはず...!」
「ともかく行きましョ!」
ドアを蹴破り、中央の部屋へと急ぐ。
角を曲がり部屋のドアを勢いよく開ける
そこに広がっていた光景は.........
「なっ...!?」
地獄絵図だった。
床には血の海が広がり、体の一部のようなものがそこらじゅうに転がっていた。
部屋の中央で微笑んでいる聖母マリア像は血飛沫で真っ赤に染まっていた。
その横の、黒い、邪悪な気配のするモノ。
辛うじて人のような形をしているが、黒い霧のようなもので包まれており、その形はユラユラと変化している。
「あく、ま......」
私は震えながらその言葉を呟いた。
黒い影が、ゆっくりとこちらへ振り返る。
ドクン ドクン ドクン
心臓が痛いほどに鳴っている。
「やぁ...死神くんたち。待ってたよ。」
その声を聞いた瞬間、とてつもない恐怖が体を巡る
私は...こいつを.........知ってる...?
「君たちさぁ、僕の食事の邪魔しないでくれる?毎度毎度...目障りなんだよねぇ......」
ねっとりとした声が、その口から紡がれる。
「つまりアタシたちは、まんまと悪魔に嵌められたって訳ね。」
グレルが悪魔をキッと睨みつけながら言う。
「せいかーい。人間どもの魂食べるついでに邪魔な死神も始末しておこうと思ってね。君らが来てくれるように、わざと派手に暴れたのさ。」
「...許せないわネ。悪魔なんて害獣、セバスちゃんだけで十分だワ!!」
「そッスね...早いとこ片付けますか」
グレルたちがデスサイズを構える中、悪魔が嗤う。
「お~怖い怖い。 さぁ...」
「君タチノ魂ハ、ドンナ味ガスルノカナ?」
……To be continued