第2章 悲しい願い
「よく散々付き合わせてくれたな。いっそ自分が滑稽で笑えてくるぞ」
目を合わせずに冷たく言葉を吐く。
嘘だと言えたらいいのに。思考をねじ伏せる。
「皆が居なくなったのも君の指示?最古参の俺達を残したのは恭遠さん達に悟らせない為かな」
狼狽する姿に胸が締め付けられる。
ごめんね、マスターって呼ばなくて。
「世界帝はより優秀な銃を手に入れてご満悦だろうな。いつから…最初からか?もう関係無いが」
終わりを仄めかす。
俺達と――銃と共に居てはいけない。
「どこから漏れたのかは知らないけど、これだけ噂になってるんだ。時期も合う…言い訳なんてしないよね」
敵に向けた視線を君に向ける。
新しくできたあのカフェ、一緒に行けなかったな。
「俺が守ると誓ったのは、俺達に嘘を吐くマスターじゃない」
「俺が一緒に生きたかったのは、俺達を利用するマスターじゃない」
噂を知って、忘れられるまで待って、そして。
「騎士の誓いを無下にするお前は」
「まっすぐ俺達を見てくれない君は」
どうか、平穏に
「「嫌いだ/だよ」」