〖 ハイキュー!!〗~ 夏の終わりに ~合同コラボ作品集
第4章 【シャッターチャンスは恋の始まり】 ( 澤村大地 )
すげぇじゃん。 なんか こう胸にグッとくるな…。」
「大地… 自分がモデルのポスター見て 感極まるなよな~」
体育館で 出来上がったポスターを代わる代わる バレー部のみんなが眺めてる。
澤村くんの大きな背中に 両手を広げて サーブを待ち受ける後ろ姿。
『夢は掴むモノ。"土台"なら 作ってやれる!!』 のキャッチコピー。
よかった。 いい写真が撮れて。
少しは 澤村くんの夢に向かう お手伝いができたのかな…
思いがけず 関わることになったバレー部、そして… 澤村くん。
キラキラしたものを 私に見せてくれた。
誰かのために 写真を撮る喜びを教えてもらった。
そして… この胸の苦しさの意味を 私は知った。
私は 澤村くんに 恋をした。
ファインダー越しの恋。
多分 伝えることはないだろう。
それでもいい…
恋をする気持ちを教えてもらった。
それで 充分…
「鈴原さん。 ありがとな。 いいポスターだな… ちょっと 照れくさいけど…」
「澤村くんの揺るぎない思いは やっぱり 背中から伝わってくると思ったんで。」
スっと 私の目の前に差し出された 大きな手。
始まりも こうだったね…。
そっと出した 私の右手をぎゅっと握って 伝わる熱に涙がこみ上げるのを グッと堪えて
「頑張ってね。夢をこの手で… 絶対 掴んでね。」
私の言葉に 澤村くんは 力強く頷いて
「あぁ、必ず 掴んで見せる!」
そう言って 笑った。
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あの勧誘ポスターで 有望な一年生が入部したバレー部が爆発的進化をするのは もう少しあとの話。
そして… 私の恋も 現在進行形。
いつか この想いを伝えることができたら…
その日まで ありったけの想いをこめて ファインダー越しに あなたの背中を追いかけていきたい…
──そう 思うんだ。
end.*・゚