第4章 【シャッターチャンスは恋の始まり】 ( 澤村大地 )

――恋したら 誰だって 綺麗になる魔法をかけてもらえるのかな?

こんな… 私でも?


同年代の女子が興味を持つようなこと。
ファッションやメイクやネイル…
そんなキラキラした世界とは 全く無縁と言っていい私…。


そんなもの 私には必要ない。
地味で 目立たなくて 写真ばっかり撮ってる私なんかに…。


ドキドキもワクワクもない ただただ平凡な毎日の繰り返しなんだと思ってた。


あんなお願いをされるまでは…。


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「えっ… 新入部員勧誘のポスター!?」

「鈴原さんって 写真部だったよね?」

いきなり 無茶振りしてきたのは 同じクラスの清水さん。
クールビューティーって言葉がぴったりなメガネ美人…。
同性の私から見ても 魅力的。
同じメガネでも 私とは全然違う。
男子は 清水さんみたいな人が好きなんだろうな…。


「…鈴原さん? 聞いてる?」

「えっ… あっ すいません。」

「忙しいとは思うんだけど、できたら 鈴原さんにお願いしたいんだ。」

「私…ですか?」

うんと 黒髪がサラリと揺れて メガネの奥の瞳が微笑んだ。


「お願いしていい?」

「あっ… 私にできるのなら…。」


なんで 引き受けたんだろう?
自分でも よくわからなかった。

―――ただ、清水さんがすごく綺麗だったから…。
そんな彼女の頼み事だったから…。

きっかけなんて ほんの些細なこと。