第4章 4
仕事が早めに終わって久々に聖奈に会いたくて
聖奈んちへ直行。
ドアノブを回してもドアが開かない
今日はオフのはずなのに。
ピンポーン
インターフォンを押すけれど反応もない
「出掛けてんのか?」
出掛けてるとしたら、京本あたりとだろう
家の前で待つことにした。
数分後
誰かが階段を上がってくる音
聞きなれた男女の声
階段を上ってきた人物はやっぱり中島と聖奈。
なんで?
今まで二人で出掛けたりしてんのなんて見たことなかったのに
嫌な黒い感情が込み上げる
「あ、風磨」
俺を見つける聖奈
「久々に顔みにきたら、他の男とデートかよ」
なんて言葉を口走ってしまった俺。
「違うよ。デートなんかじゃない」
否定する聖奈に
「したら、なに?今まで中島と聖奈が二人で歩いてるとこなんて見たことなかったけど?いつからそんな仲良くなったわけ?」
「別に元々仲悪いわけじゃないけど」
聖奈のそっけない態度
たぶん、俺の言い草にイライラしてきてるんだろう
「じゃあ、あれか?俺に黙ってこそこそ遊んでたわけ?」
こんなこと言いに来たわけじゃないのに。
「さっきから黙ってればなんなの?そんなんじゃないって言ってるじゃん!!ジャニーズにいたら自然と男の子とも仲良くなるし、一緒にご飯行ったりとかもあるよ?
風磨だってそんなのわかってるでしょ?
風磨だって女優さんとかスタッフさんと食事行ったりするでしょ?
なのになんでとやかく言われなきゃいけないわけ?」
聖奈の中で何かがキレた
喧嘩したいわけじゃない
「そーかよ。言いたいことはそれだけ?」
やめろよ俺
止まれ。
聖奈を傷つけるな
「もう、いーわ」
なんて言葉を投げ掛けその場を去る俺
ごめん 聖奈
ほんとに