第7章 桃色の花
いつもと違う天井がみえた。
目を開けたら全てが夢であった、なんて事が起きたらどんなに良かっただろう?
わたしは何で寝てたんだろう…
「ヒマリ……」
あなたがいたから、私は根で頑張ろうって…
あなたが私の帰る場所なんじゃないの?
とまらない涙が頬を伝う
(何で私は、ここにいるんだろう
死ぬなら私が良かった
彼女には、やりたいことも期待できる未来も全部があったのに)
「起きたのか。」
今一番会いたくない人が声をかけてきた
「ダンゾウ様…」
「あんなもんで気を失われては困る。修行もうまくいっていないそうだな。」
(あんなものって、言うな…)
ダンゾウ様の言葉は人間とは思えない冷たさだった
「下手な感情は捨てろ、全ては強くなるためだ。」
(違う…違うよ…)
「なんでですか…、なんであんなやり方しかできないんですか?みんなが優秀な忍者であったはずです。こんなやり方…」
「優秀じゃなかったから死んだだけだ。任務と同じだろう」
「違う!ヒマリは…ヒマリは躊躇したんです…仲間を殺すことに…。彼女は優しいんです。私は彼女に救われたんです…。
根って、木の葉を支える組織ですよね?
私は彼女に支えられていたんです!
彼女こそ、根に相応しい人でした、根とはそうあるべきなんです」
悔しい…
「はっ。そうか。なら、お前があいつを生き返らせればいいだけだろう?
なんのために根に来たんだ?役立たずがずっとここにいられると思うな、次死ぬのは楓、お前だぞ。」
また来るといってダンゾウ様は帰っていった。