第7章 桃色の花
カカシside
目が覚めると枕元に桃色の花が置いてあった。
ーーーー楓?
直感的に、そう思った。
(俺にこんなかわいい事するのは楓だけだからな。)
自分で考えておいて顔がにやける。
「カカシ先生、入っていいですかぁ~??」
ドアの向こうで声がする
「はいどうぞ~」
予想していない顔が現れた
「ーーーいの?」
「やっほ、カカシ先生!サクラももう任務始まっちゃったしさ。お見舞いきたよ。うちの花在庫処分しなきゃいけなかったから。あまりものだけど。」
(…そうか、サクラがもう任務に行ったって事は楓もテンゾウたちと一緒に任務に行ったってことか)
7班とテンゾウが既に任務にあたっていることはわかってはいたが、言われて初めて楓が花を置いた理由に気づいた。
(行ってきますのあいさつの時くらい、起こしてくれたっていいじゃないの…)
そんなことを考えていると
いのはここに飾っておくねといいながらベッド横の花瓶に花を飾ってくれた。
「てか、あれ?先生この花どうしたの?ハナニラじゃん!」
楓が置いていったであろうその花をみて、いのが話してきた。
「あ、それね。起きたら置いてあったんだ。…それ、ニラなの…?」
(楓…ニラ置いて行ったのか…?)
「一応はニラではないんだけど…ほら、ここの切ったところ、嗅いでみて?」
そう言っていのが俺の鼻に花を近づけると猛烈なニラ臭が鼻の奥まで貫いてきた
「くさっ…」
でしょー?とイノが笑っていた
「しかし…ハナニラ………ねぇ。
花言葉は『悲しい別れ』だったかしら?
先生もしかして彼女に振られたの〜?」
「そうなの?…悲しい別れ、ねぇ。これを置いた人はそんなのわからずに置いてると思うけどねぇ…なんせそれ、ニラくさいのに俺の枕元に置いてあったんだから。」
「あはは!確かに。それにカカシ先生は…
お相手なんて元々…
「悪かったね、独身フリーで。」
楓がわかってて置いたとは思えない、
彼女のことだから綺麗な花を見つけたからあげる!くらいのノリだろう
(まぁそもそも、楓が置いたっていう確証さえないしな。)
無意識に言い訳を並べては、
自分は自分のモヤモヤとした気持ちを晴らすことはできなかった。