第18章 千手一族とうちは一族
「カカシ先生、起きてる?」
「ん?どうした?」
狭い布団の中、私を後ろから包む形でカカシ先生は横になっていた
「先生は今幸せ?」
「うん。凄くね。」
「幸せが増えると怖くなる事は先生はないの?」
「んー、あったかな。けどもう何がなんでも守るって決めたし、今はそれに集中するのみだから大丈夫。」
「守る?」
「うん。もうオレの気持ちに嘘をつくことも無くなったし、一度オレのために命を落とした楓を見た事実は変わってないからさ。
2度とあんなことにはさせない。
それに逆もね。オレがいなくなったら楓も同じ気持ちになるのなら、今進んでいる悪いことを止めるしかない。進むしかなくて進み始めたら怖くなくなるよ」
「私はまだ怖いよ。全部無くなっちゃうのが怖い。先生、そっち向いてもいい?」
「ん、いいよ。」
振り向くとマスクを外した先生がいる
「寝る時のマスクはやめたの?」
「楓にはもうたくさん見られてるから今更もうね?」
「…へへ、私の特権?」
「ん、そうだな。」
「その目も、傷は痛そうだけど本当に綺麗。私が根に入った時はこの顔に傷をつけようとしていたんだよね…本当にごめんなさい。」
そう言ってカカシ先生の顔の傷に手を添える
「ははっ、そんなこともあったな。
いろんな時間を楓と過ごしたね。こうやって戻ってきてくれてありがとうな。」
「カカシ先生…私のためにずっとありがとう。明日からも修行頑張るよ」
「ん。大丈夫だよ。楓はオレの自慢の生徒で…
「あー!それ嫌!聞き飽きたやつ!」
「待ちなさいって、これには続きがあるの。
それでオレが惚れた素敵なお姫様だから。
不貞腐れるな、ほらちょっと近づいて」
納得いかないまま少し近づくと
そっと額に唇が触れ、今度は唇に柔らかい感触が伝わる
「…好きだよ。愛してる。ずっとそばにいるから安心しろ」
「…っ。もう、先生どれだけ好きにさせるの?!てか、キスが多いの!その度私ドキドキで寿命縮んでる気がする!」
「あーそれは慣れてくれ。」
「無理だよ…先生カッコいい自覚持って欲しい…」
「楓は本当に可愛いな。さて、そろそろ寝れそうか?」
「うん。ありがとう。おやすみなさい」
暖かい腕に包まれながら目を閉じた