第16章 憎しみの渦
次の日から私とテンゾウお兄ちゃんは里の復興の為に建物の材料を作っていた
「あぁ、本当にやんなっちゃうよ、キリがない」
テンゾウお兄ちゃんがげっそりしながら次々と木材をつくり里のみんながそれを運び出す
私はその横で屋根などに使われる植物をひたすら種を植えては伸ばして刈って配っていた
「私も、お腹ぺこぺこだよーー」
「キリが良くなったら何か食べに行こうか」
「賛成!賛成賛成!」
勢い余ってつい葉を伸ばしすぎる
「ああ!花咲いちゃった」
「あ、こら、花が咲いたら材料にならないでしょ」
「はーい」
そんなやりとりをしながら私は働き続けていた
つい最近までの騒動がなかったかのように、里は賑やかだった
皆大切な人を一度失って、そしてその大切さをこの戦いで学んだのだと思う
「テンゾウお兄ちゃん、テンゾウお兄ちゃんはペインが来た時どうしてたの?」
「えっ?僕?
僕は暗部の仕事で少し里を出てたんだ。
でもナルトの九尾の封印が取れたのがわかって急いで帰ってきたんだよ」
ナルト君たちの話を聞くと私が倒れてからナルト君は一度ペインとの戦いで尾獣化し、尾が8本まで出たと言う
(本当にナルト君もテンゾウお兄ちゃんも、無事でよかった)
私は戻りつつある日常に感謝の気持ちでいっぱいになっていた