第12章 草の壁
楓side
最近起きていたことが嘘のように日常が戻ってきて
私は前向きに修行に打ち込めていた。
(目の前でこんなにナルト君が頑張ってたら、私も頑張らなきゃだよね)
ナルト君の修行が進むにつれてテンゾウお兄ちゃんだけでなくカカシ先生もナルト君の修行に付きっきりになった。
サクラちゃんは綱手様の元で修行をしていて、
残った私とサイは自然と一緒に修行をするようになっていた。
「楓、今のすごく良いね。強度上がって来てる気がするよ」
私はテンゾウお兄ちゃんの木遁に比べてどうしても耐久性の弱い草遁の弱点を補うように
どこにでも生えている雑草の中でも硬くて頑丈な種類の雑草を瞬時に増やし
遠距離型の私の戦い方でも近距離戦になった時身を守る練習をしていた。
「ありがとう、サイ。私実技練習が本当に苦手だから、サイと練習できて気が楽だよ…。」
ふぅ、と一息つく。
「楓は僕なら遠慮なく攻撃できるってこと?」
そうじゃないことをまるでわかっているような顔で意地悪を言いながら雑草を掻き分けてサイが私の隣に座った
「わかってるくせに〜。私はサイが強い事知ってるし、やっぱりあまり関わりが薄い人に全力で技を出すのは難しいんだもん。」
そういうとサイは満足そうに、僕が仲良しな人の部類に入れてるならよかったと笑った。
「……っ、あ、当たり前だよ…」
一瞬言葉に詰まって焦ってそう返す。