第10章 交差する想い
ナルトくんはアスマ先生にもアドバイスをもらい、風遁属性を手に入れるために滝を切る修行をしていた。
対してわたしは少し離れた場所で技の精度をあげる修行中だ。
(うーん、だいぶ精度は上がったけど…)
わたしの技はそもそもの威力不足が目立つ。
(毒…とか。なにかプラスαで工夫ができないかな…)
「楓!」
明るい声が聞こえると、サクラちゃんが手を振りながらこっちに向かってきていた
「サクラちゃん!!」
「差し入れ持ってきたわよ〜!サクラ特製、栄養満点!兵糧丸!」
「うわぁ!すごい!沢山…!ありがとう!」
「楓、一個食べてみて!」
サクラちゃんはそういうと、私の口元に兵糧丸を差し出した
「はい、あーん。」
「…うっ、うわ!」
口の中にとてつもなく複雑な味が広がる
「どう?美味しい?」
サクラちゃんは期待のこもった目でこちらを見つめる
「え、栄養満点な感じが、いいかも…!」
頑張って作った作り笑顔で親指をぐっと立てればたちまちサクラちゃんは笑顔になった
「ちなみに楓はなんの修行中なの?」
未だに凄い味の兵糧丸を飲み込めていない私にサクラちゃんは話しかけてきた
「んん、えっと…技の精度を上げてたんだけど…
何かプラスαで付け足せないかなぁって、悩んでたの。例えば…毒、とか?」
「毒!確かに楓の技ってあまりたくさんみたことないけど、近距離ってよりは遠距離のイメージだし。ジワジワ相手を弱らせることができたらいいわね!」
サクラちゃんは自分のことのように親身に考えてくれながら、沢山アイデアをくれた。
「そうだ!楓、このあと暇?私も医療忍術を勉強してるし、力になれるかも。良ければ一緒に考えない?」
「えっ!いいの?今日はカカシ先生も任務でいなくて1人だし、ぜひ!」
よっしゃきまりー!といいながら兵糧丸をナルトくんに授けて、私たちは図書館に行った。