第17章 【信玄編・後編】※R18※

「あっ、ひ…」

いつもより甲高い声が、竜昌の喉から溢れる。

未だ誰にも触られたことのない蕾が、信玄の口内でじわじわと固さをもち、その形を露わにした。

信玄は、舌がどんな動きをすれば、竜昌がどう反応するのかをじっと窺いながら、その蕾を嬲った。
舌先で弾き、先をすぼめて吸い上げ、ざらついた面で擦り上げる。
仕上げに軽く歯で甘噛みすると、竜昌の腰がびくんと跳ねた。

「…いっ…」

反射的に「嫌」と言いかけて、竜昌は慌てて口をつぐんだ。
嫌なわけではない。身体を貫く快感に意識を支配されるのが、ただ怖かった。

しかし少しでも拒否をすれば、信玄はいとも簡単に愛撫を止めてしまうだろう。
竜昌は自らの手で、口を押さえた。

「ン…ムッ…ん…」

くぐもった吐息の中に混じる嬌声が余計に信玄の劣情を煽る。
性急に動いた信玄の手が、竜昌の腰帯をしゅるりと解いた。
裾をより分け、襦袢をくぐり、信玄は迷うことなく竜昌の秘所へと指を伸ばした。
今にも綻びそうに膨らんだ花芯に、体温すら感じられるほど指が近づいたところで、信玄は指を止めた。
竜昌が拒絶をしないか、あくまでその顔色を伺う。

そのとき、無意識のうちに、はくはくと喘ぐように開いたり閉じたりを繰り返していた竜昌の蜜口から、とろりと蜜があふれ、信玄の指を濡らした。

その瞬間、信玄の胸の中で何かがぱちりと弾けた。

「…すまん、もう、」

ずっと黙って愛撫していた信玄が苦しそうに声を上げるやいなや、竜昌の蜜口をぐちゅりと割って、中に太い指が押し入ってきた。

「あっ…────クッ！」

初めて体内に感じる異物に、竜昌の全身が固く強張る。

「痛いか？」

自分の指を噛んで必死に声を堪えながら、竜昌はふるふると首を振った。その目尻に、小さな涙の粒が浮かぶ。

ちゅぷんっと音をたてて、信玄は蜜壺から指を引き抜いた。
さっきまで、あれほどの異物感に支配されていた蜜壺が、今度は喪失感に切なくきゅっと締まる。

「ンッ…」

信玄は蜜をまとった指先で、竜昌の花芯をそっと挟むと、羽で撫でるかのようにそっと扱き始めた。