第3章 【政宗編】※R18
政宗は、竜昌の襟元を荒々しく両手で掴み、ぐいと開くようにして肩から外した。
露わになった竜昌の胸元には、先日の稽古で政宗がつけた痣がまだほの赤く残っている。その色形は、まるで椿が赤い花弁を妖しくほころばせているようにみえた。
政宗は顔を伏せ、その痣に触れるか触れないかの淡い口づけを落とした。政宗の熱い吐息が、竜昌の鎖骨を撫でる。
「…痛むか?」
震える唇を噛みしめていた竜昌は、黙って小さく首を振った。
政宗はさらに舌を伸ばすと、その痣をそっと舐めた。
突然の生温かくざらりとした舌の触感に、竜昌の肩がぴくりと揺れる。
あくまで優しく、まるで野生動物がその傷を癒すように、政宗は何度も痣を舐め、口づけを繰り返した。その度に、竜昌の身体の奥底に痺れるような感覚がじわじわと溜まっていく。
「ん、ん…」
苦しそうに嗚咽を噛み殺し、膝をよじる竜昌を押さえつけ、なおも政宗は痣への愛撫を繰り返した。
そして甘い痺れが、身体の内部をすべて満たしたその瞬間、堪らず竜昌の唇から喘ぎ声が漏れた。
「…ァ…」
政宗は再び竜昌の顎を掬い、その蕩け切った表情を満足そうに眺めた。
「なんだよ、自分から仕掛けてきた癖に、もうクタクタじゃねえか」
政宗は、向かい合っていた竜昌の身体をくるりと回し、自分の胡坐の上に後ろ向きに座らせた。
くたりと政宗にもたれかかる竜昌の身体は、もはや 風邪をひいている政宗よりも熱く感じられた。
政宗は後ろから手を回し、竜昌の胸に巻かれたさらしの上にそっと手を当てた。
およその見当をつけた場所で、ゆっくりと円を描くように指を滑らせると、指はやがてさらしの下にあるごくわずかな突起を探り当てた。
その突起を指で強く擦ると、竜昌の背筋がビクンと跳ねる。さらに存在を主張してきた突起を、指の先で小さく抓ると、竜昌は全身を固くしてギュっと膝を閉じた。
「もう降参か?」
目に涙をいっぱいに溜めながら、最後の力を振り絞るように、竜昌が大きく首を振った。
「上等だ」
政宗は隻眼を細めてニヤリと笑い、右手を竜昌の袴の脇にある「投げ」からスッと差し込んだ。その手はするすると小袖、襦袢の袷をすり抜け、竜昌の内腿にひたりと触れた。