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【イケメン戦国】夢と知りせば覚めざらましを

第12章 【秀吉・後編】※R18


心地よい暖かさの中、秀吉は目を覚ました。
その腕の中にいる竜昌は、秀吉の胸に頬を当て、すやすやと眠っている。
そろそろ夜明け間近のはずだが、部屋は仄暗く、あたりは不気味なほど静まり返りっていた。おそらく、昨夜から降り始めた雪が積もり、雑音を吸収しているのだろう。
秀吉は、竜昌を起こさないようにそっと半身を起こし、竜昌の頬に口付けた。
途端に、鋭い痛みが背中に走る。
『…っやべ!』
秀吉は急に思い出した。今朝は、家康が朝一番に屋敷に診察にくる予定だったのだ。その具合いかんによっては、登城が許されるはずだった。
「竜昌…竜昌…」
秀吉は竜昌の耳元で囁いた。
「ん…」
竜昌はかすかな声を上げたが、再び平和な寝息を立て始めた。
『昨夜もそうだったが、意外と寝起き悪いのか…可愛い奴…』
秀吉はが再びその頬に口付けを落とすと、竜昌はくすぐったそうに微かに微笑んだ。
「竜昌、少しの間だけ屋敷に帰る。すぐ戻って迎えに来るから、それまでここで待ってろ」
「ん〜?…」
寝ぼけたように微笑む竜昌に三度口付けると、秀吉は急いで身支度を整え、うっすらと積もった雪を踏みしめながら、城下の自分の屋敷へと戻った。

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