第4章 不運
遥side
「ぷはぁ!」
「遥いいねぇ(笑)」
山田さんが隣でニヤニヤと笑っている。
うっ・・・
お酒って思ってたのとちょっと違う。
「うぇ・・・」
「おいおい、お前それロックで飲んだのか?」
「ロック?何ですかそれ?」
「ぶはは!まじか!遥!すげぇ!」
「そりゃそうなるわな。」
美味しいって勝手に勘違いしてた。
僕苦手かも。
既に気持ち悪い。
「無理すんなよ?ほら水。」
「ありがとうございます・・・」
「いきなりそれ飲むのはキツいな(笑)」
山田さんが「これ飲んでみろよ。」と僕に1杯くれた。
「ん、これ美味しいです。」
「カシスオレンジ。ほぼジュースだけどな(笑)」
あれ、僕馬鹿にされてる?
みんな笑ってるし!!
僕だって慣れれば!
そう思い、近くのお酒を手に取り一気飲みをした。
「おい・・・それ・・・」
「ぷはぁ!うっ・・・」
身体が熱い。
目が回ってきた。
足取りが悪くなって壁にもたれ掛かるように座り込む。
もう酔っちゃったのかな?
「遥、大丈夫か?」
肩に手を置かれる。
ビクビクビク!
あれ・・・おかしい・・・
身体が反応してる・・・
αの匂い・・・
いい匂い・・・
っ!違う違う!
まずい・・・これ酔ったんじゃなくて・・・
発情期だ・・・
「は、遥・・・?」
「おい、これって・・・」
触られたい・・・
犯されたい・・・めちゃくちゃにされたい・・・
αのいい匂いが・・・
はっ!ダメダメ!!
「Ωのフェロモンが・・・」
川口さん、中原さん、山田さんはαだから僕の異変には気づいている。
ここから出ないと・・・
でも動けない・・・
タイミング悪すぎる・・・