第7章 スキップ×ステップ×ターン!
「!?」
あれ……身体が勝手に!
音楽が流れ出し、もう終わりだと思った瞬間だった。
「え、何!? うおぅ!」
腕が引っ張られるように上がった。
続けさまに今度は足がグッと引っ張られる。
何が起こっているのか分からず、ただ身をまかせる事しかできない。
自分の意思とは関係無く、見えない力によって身体が動かされている。
ズーリィへ視線を向けると笑顔を浮かべていた。
が、合格させてくれる気はまだないらしい。
正直、自分の身体が次にどのように動くのか予想できないので心身共に疲れる。
特に首がもげそうだ。
ふと、一際強い視線を感じた。
視線を辿るとやはりヒソカだった。
こちらに手を振りながら、何かを伝えようと口を動かしている。
え・が・お❤︎
と、聞こえた気がした。
あぁ、そういえば一番大切な事だって言ってたっけ。
今の私はきっと必死で、怖い顔になっているのだろう。
笑顔になればきっと楽になれる。
そう期待して最強の可愛くて美しい自慢の笑顔を振りまいた。
「オ〜〜ケ〜〜ィ!! 合格ゥ〜〜!!」
「助かった……」
合格を言い渡されると同時に、フッと身体の力が抜けた。
身体も自由になっている。 あれは一体何だったのだろうか。
席へ戻ると、ヒソカがいつも以上にニヤニヤしていた。
「な、なに?」
何故ニヤついているのか知りたくなかったが、無言で見つめられるのも苦痛なので反射的に聞いてしまった。
「なかなか上手いじゃないか♣︎」
「え、そ、そうかな」
自分で踊ったわけではなかったが、褒められて嫌な気はしない。
ちょっと嬉しい。
「サーカスのピエロみたいだったよ❤︎」
「……………」
絶対に褒めてないよね。
これは馬鹿にしてるんだよね。
なんで学習しないんだろう、私。