第6章 協同×デ×競走
(もう間もなく二次試験が終了致します。 合格された受験者の皆様は、係員の指示に従って下さい)
あれからヒソカとお茶を飲んで雑談をしていた。
二次試験がもうすぐ終了する。
黒服の係員に案内されている途中で、イモリに会った。
「あ!ニーナ!」
「イモリ!」
駆け寄ってきたイモリはもうすっかり元気そうだ。
「弟が世話になったな」
「礼を言うぜ」
「いいえとんでもないです」
イモリのお兄さん達か。
どうやらイモリだけでなく、彼らも脱落してしまったようだ。
「本当にありがとうニーナ! 残りの試験も頑張れよ」
「ありがとう」
イモリ達と別れ、案内された部屋は、試験開始前の部屋だった。
受験者が減ったせいで前よりも広く感じる。
「二次試験合格者は5チームの計35名。 おめでとうございます。 これより三次試験会場へ向かいます。 それまで各自自由に過ごして下さい」
35人しか受からなかったのか。
結構な人数が落とされたんだな。
またしばらく自由時間を過ごす事になる。
飛行船の中は殆ど見て回ったし、ヒソカは何をするのだろう……か、
「♪」
既にトランプタワーを建設していた。
「私も作ってみていいかな?」
「もちろん♣︎」
ヒソカにトランプを借り、見よう見まねでトランプを重ね合わせる。
ヒソカが作っているのを見た時は簡単そうだったのに。
………………凄く難しい……
悪戦苦闘している間にヒソカのトランプタワーはどんどん高くなっていく。
コツでもあるのだろうか。
しかし、それを聞いたら何か余計な一言も返ってきそうだったので聞かない事にした。
「………や、やった! 立った!」
ようやく1つ立たせる事が出来た。
しかし次の瞬間、横からパラパラとトランプが雪崩れ込んできた。
当然、私の建てた小さなトランプタワーはそのトランプの雪崩に飲み込まれて消え去ってしまった。
「なっ!?」
「くくくくっ❤︎」
こいつの仕業かっ!!
本当に性格が悪い奴だ!!
「〜〜〜っ!!」
声に出してしまいそうだったが何とか心の中に押し込む。
今の私に出来る事は、心の中で悪態を吐きながら髪の毛を掻き毟る事だけだった。