第6章 協同×デ×競走
(ハンター試験受験者の皆様、もう間もなく二次試験会場へ到着致します。 お近くの係員の指示に従い、待機して下さい)
「やっと着いた…」
やっとヒソカの無言の圧力から解放された。
係員の指示に従い、解散前の部屋へと集まる。
「受験者諸君、こんばんは。 二次試験担当官のロボスと申します」
次の試験官は、アルトゥールと違って落ち着いた雰囲気の男だった。
「諸君には7人チームになって目的地まで競走していただきます。 チーム分けはこの通り」
ロボスの合図で天井からバサッと何かが降ろされた。
よく見ると受験者番号が区切られて書かれている。 チーム表だ。
ヒソカとは別チームか……良かった。
「では、チーム毎に分かれて下さい」
係員の誘導でそれぞれのチームで集まると、片手に収まるぐらいの電子機器を渡された。
チームメイトを見渡すと、
「あ、トンパ!」
「よ、よお! よろしくな〜」
1人だけ知っている人がいた。
他のチームメイトともそれぞれ軽く挨拶を交わす。
ヒソカのチームメイトはどんな人達だろう……
ふと気になって見てみると、
「♪」
気のせいだろうか。
ヒソカのチームメイトがまるで立ってる状態の屍に見える。
気持ちは分かる。
「ルールを説明します」
⑴チーム全員揃ってゴールする事
⑵1名でも死者が出た場合、同チームの者もその時点で失格
⑶制限時間前でも10チームがゴールしたら試験終了
「制限時間は48時間。 各チームに1つづつ配られたそれは、諸君の現在地と目的地が表示されるナビです。 くれぐれも失くさないように。 それでは、第1チームの皆さん下船の準備を」
それぞれのチームは異なる地点から出発するらしい。
そして第1チームは私が属しているチームだ。
ロボスに続いて別室へ移動する。
さっきいた部屋と同じく何もない。
ここで飛行船が着陸するのを待つのだろうか。
っと思っていたら係員が床をパカッと開いた。
「このロープを伝って降りて下さい」
「ええ!?」
下を覗き込むと真っ暗で何も見えない。
「二次試験の舞台は密林です。ちなみに、ここで降りられなかった場合も失格です。 当人だけでなくチーム全員」
ロボスは表情をピクリとも変えずに言い放った。
え、密林!?