第12章 霊力 ★
「あぁ、起きたか清光くん」
襖を開けて、主が部屋に入って来た。
主の顔を見て、ようやくホッとした。
…ん。あれ。でも待って…
「…どうした清光くん? そんなに慌てて顔を隠したりなんかして…」
「だっ、だって寝起きだし!! 今の俺絶対可愛くないし!!」
「可愛いが?」
「そんな訳ない!! 髪だってセットしてないし…」
「それも可愛いがな(笑)」
「ちょ、笑ってんじゃん!!」
「微笑ましいと思っただけだがな」
そう言って笑う主は、なんだか元通りって感じで。
「ねぇ、主は霊力ってやつ、戻ったの?」
「そのようだ。むしろ、前より強くなったかもしれんな。早く出陣したくてウズウズしている♪」
「げ…また見せ場無くなるじゃん…」
「そこはまぁ…あまり前に出過ぎぬよう頑張るとして…。これでまた…皆を守れると思ったら嬉しくて、な」
「たまには守られてよねー」
「善処する…本当にありがとう、清光くん」
礼を言うのは…俺の方、なんだけどな…
それから、安定が起きる前に部屋に戻って
それから…
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「おいおい、昨日とは別人みてぇだな…」
「あるじさまぜっこうちょーですね」
敵をばったばった倒してく主と。
「清光、今日様子おかしくない?」
「加州さんが不意打ちをくらうなんて珍しいですね…」
「加州の旦那、顔が赤くねぇか? 風邪か? 俺が診てやろうか?」
「は…、はは…」
昨晩の事を思い出して戦闘に集中できない俺がいましたとさ。
続く。