第8章 ピクニックへ行こう!
ーーチュン、チュンーー
鳥のさえずりと共に安土城に朝日が差し込む頃、
寝癖で髪もボサボサのまま自室の襖をスパーンッと勢いよく開けるの姿があった。
「わぁっ!いいお天気!!まさにピクニック日和!」
思いっきり背中を伸ばして朝日を浴びる。
政宗「何だ、。ちゃんと起きれたのか。お早う」
「あっ!おはよう、政宗!もしかして起こしに来てくれたの?」
政宗「まあな。まだ寝てるなら添い寝でもして、おはようの口付けでもしてやろうと思ってたところだ」
ニヤリと自信に満ちた笑みでに手を伸ばすが、はヒラリとその手をかわすと楽しそうに笑う。
「もー、政宗はすぐそんなこと言うんだから!簡単に捕まらないからね!ふふふっ」
政宗「言ったな?じゃ、次からは甘味を持って起こしに来るか。とりあえず広間に朝餉を食いに行くぞ……と、その前に髪鋤いてやる」
「えーっ?甘味は狡い!髪だって自分で出来るよー」
政宗「いいから、ほら。櫛かせ。で、そこ座れ」
は渋々 政宗に自分の櫛を手渡し、政宗が指示した縁側に腰かけると、その後ろを政宗が胡座をかいて座り、ゆっくりと髪を鋤いていく。
(髪の毛といてもらうのって、いくつになっても気持ちいいんだよねー…)
何とも心地よい感覚には気持ち良さそうに目を閉じる。
政宗「気持ちいいな……お前の髪」
「そうかな?…ねぇ、政宗って女の人の髪結えるの?」
政宗「んー?当然だろ。俺に出来ないことなんかないからな。にしても、お前どんな寝方すればここまで髪が絡むんだ?」
「うーん…ゴロゴロ寝返りしたら、かなぁ?」
政宗「ははっ!なら、照月の方が大人しいかも知れねえな!」
政宗は楽しそうに笑いながら、まるで壊れ物に触れるかのように優しくの髪を整えていく。
「また照月に会いに行ってもいい?あのふわふわの毛に触りたくなっちゃった!」
政宗「勿論だ。あいつもお前に撫でてほしいだろうしな」
二人は他愛もない話をしながら心地よい時間を楽しむのだった。