第8章 書類配り
【三番隊】
あぁ、めんどくさい。すごーくめんどくさい。
なんで今更になってこんな目に。
グチグチと心の中で文句を言いながら歩いていると、
「なんや、千紗ちゃんやないの」
京訛りのゆるい声に名前を呼ばれた。
最悪。今日は厄日か?厄日なのか?
会いたくもないやつに会ってしまうなんて。
「千紗ちゃん、無視はあかんで?寂しいやんか」
『.........』
「千紗ちゃーん、千紗ちゃーん、千...」
『あぁもう!!やかましい!!』
「なんや、聞こえてるやん。ちゃんと返事せなあかんよ」
『(ボソッ)うるせ』
「なんか言うた?」
『いえ、何も。それよりもどのようなご用件でしょうか ──── 市丸隊長』
好かない笑顔を見せるこの男、市丸ギンに笑顔で聞く。