第23章 仲間
『ここに来るのも久しぶりだね』
「お前はな」
目の前には、三週間ぶりの隊舎。
春水と会ってから一週間。ようやく外に出る許可が下りた。
『それにしても、父様も鬼だな.......』
廊下を歩きながら、しみじみと呟く。
「そんなに大変だったのか?」
『大変なんてレベルじゃないよ』
この一週間。私は落ちた体力を戻すため、邸の地下にある訓練場で父様に稽古をつけてもらっていた。
『老体には負けない自信があったんだけどなぁ.......』
いくら体力が落ちたとはいえ、現役の隊長なのだ。勝てると踏んでいたのだが.......
『まさか負けるとはなぁ.......』
斬魄刀は使わず、木刀を使用しての稽古。璃久とは常に五分五分だった。が、しかし。
『百試合して、勝てたのは四十六試合。やっぱり父様には、剣道じゃかなわないな』
今でこそ引退し、土御門家の当主となっているが、元々は護廷の隊長をしていた人だ。しかも、その実力は下手すれば総隊長を凌ぐほどだったという。
「それでも、おかげで体力も霊力も元に戻ったんだろ?」
『大方ね』
「なら、良かった」