第16章 斬魄刀異聞
気づくと、いつの間にかあの島に戻っていた。
『村正...』
近くに横たわる村正にはもう敵意はなく、うっすらと笑みを浮かべていた。
代行くんは村正の手を握り、心配そうに見つめていた。
村「これが、魂を分かち合うということか...?」
一「あぁ」
村「私が、響河を間違わせてしまったのだな」
『そんなことは誰にだってある』
一「璃咲さん」
『間違えたのなら直せばいい』
誰だって一つや二つ、間違えることはある。ならば、それを悔やむよりも、どうすればいいかを考え、正しく直せばいい。
間違えない人なんていないんだから。
村「いつか......きっと...」
その先を言うことなく、村正は消えてしまった。