第16章 斬魄刀異聞
「いえ、特には用事はないので。斬魄刀を追っていたら、ここに来てしまっただけで」
まぁ、嘘だが。こいつにいちいち説明するのも面倒臭いしな。
ギ「そう、せやったら早う行かなね。取り逃がす前に...」
「えぇ」
相変わらず読めない男。早くこの場から離れたい。
「それでは」
ギ「あぁ、そうや」
瞬歩で移動しようとした瞬間、呼び止められた。
なんだ、この急いでいる時に。
「なんですか?」
ギ「璃咲ちゃん、やっぱりかいらしいなぁ。僕のお嫁はんに欲しいわ」
「...っ!?」
こいつ、璃咲を見たのか!?
読めない笑顔でこちらを見ている市丸にイラつきがこみ上げる。