第16章 斬魄刀異聞
『何の連絡もないのに、なんで地獄蝶が...』
山じいが何の用もなしに地獄蝶を飛ばすとは思えない。
なら、何故この地獄蝶を私のところに?
『.........』
「璃咲?」
『山じいに何かあった...?』
しかし、いくら年寄りとはいえ、護廷十三隊総隊長だ。
そうも簡単に何かあるはずがない。
なら、なぜ...?
『.........』
地獄蝶を飛ばしてきたということは、なにか私に伝えようとしたということ。しかし、その内容は伝達されてこない。
つまり...
『伝達されてこないんじゃなくて、伝達できなかった…?』
そう考えるしかない。
「おい!!璃咲、どこに行くつもりだ!?」
突然、窓から屋根の上に移動した私を見て、璃久が慌てて立ち上がった。