第10章 零番隊復活
春水を睨みながら、こっちにくる璃久。
「大丈夫か?」
『まぁ、少しは』
「卯ノ花隊長に許可を取った。家に戻れ」
『...うん』
璃久は慎重に私を抱き上げると、部屋から出ていった。
瞬歩で移動する璃久は黙ったままだった。
『璃久』
「.........」
『璃久』
「...なんだよ」
硬い声音に苦味を帯びた表情。
まるで自分を攻めているみたいだった。
気にするなって言ったのに...
『零番隊舎に行って』
「邸に帰る」
『零番隊舎』
「邸」
『.......』
「........」
どちらも譲らない。
「......はぁ、少しでも無理したらすぐに帰るからな」
『ありがと、お兄ちゃん(ハート)』
「キモイ」
『Σひどっ』