第11章 研究日誌【アスランR18】※未完作品
4月27日
昼頃から振り出した雨は勢いを増し、容赦なく人や町を濡らしていく。
「このまま帰るか…」
途中何度か雨宿りしていながらも、既に衣服はポタポタと雫が垂れるほどにズブ濡れになっていた。
幸い、隣町にある研究室に受取りに行った研究資料はビニール製に袋に入れられていたため、雨の被害からは逃れていた。
「でも問題は…」
肝心なものは、研究室では手に入らなかった。
研究対象。
この資料、つい最近学会で発表されたこの薬を使う『対象』だけが足りない。
誰もいない。
以前使ったのはもう、いないから。