第9章 ポッキー【シンR15くらい?】
食い意地を張ってると、
思わぬ悲劇を巻き起こす。
★☆★ポッキ―★☆★
おやつの3時頃。
整備士のは早々に機体整備を終わらせ、自室で一人おやつタイムを満喫していた。
そこへ、幸せなひと時を妨害する人物が現れた。
「いる?」
「なーにー?」
部屋に入ってきたのは、が整備している機体インパルスのパイロットであるシン”。
「俺の機体のことなんだけど……って、何食べてるの?」
「ん?ポッキーだよ?ジブラルタル基地限定のやつ」
がシンに自慢するようにポッキ―の箱をかざすと、また一本ほおばる。
「限定!?俺にも一本ちょうだい!」
やはり誰しも、限定の二文字に弱いらしい。
シンはに手を差し出す。
「ダーメっ!だってあと一本しかないもん」
同じく、限定に弱いかつ食い意地の張っているは、プイっと顔を逸らすと、最後の一本を口にくわえてしまった。
「あぁぁっ!!」
「おいひー」
ポッキーをくわえたままはシンにあてつけるかのように味わう。
「ひどっ」
の心の狭さにシンはショックを受け、がくわえているポッキーをしばらく見つめる。
ポリポリとが美味しそうにポッキーを食べる姿を見つめるシン。
「……が悪いんだからなっ」
そういっての肩を掴むと、ポッキーの先をくわえ、はじから少しづつ食べ始めたのだ。
「んんっ!?」
思わぬ出来事には硬直してしまうが、シンにポッキーを奪われないようにもはじから食べ始めた。
(か……顔が近い)
シンの顔が目の前にあることに、は顔を紅潮させる。
(けど!)
限定ポッキ―が惜しいのか、口を離そうとしない。
そして、お互いに最後の一口手前で止まる。
(好い加減諦めてよ)
シンが一向に諦めようとしない中、が恥ずかしさに目を瞑る。
すると、パキンっと部屋にポッキーの折れる音が響く。
「……んっ」
シンとの唇が重なる。
いきなり過ぎて、状況を把握出来ない。
目の前にはシンの顔。
そして、鼻にかかるシンの吐息。
シンとキスしてるのは明らかだ。