第6章 休むって大切なこと【キラR15?】
「うん……行ってきます」
ますます不満そうな君。
時間気にしてたのはの方なのに。
僕だって、途中じゃ嫌だよ。
「……ちょっと待って!」
やっぱり中途半端じゃ嫌だから。
部屋を出ようとするの引き留めてからもう一度、と唇を重ねた。
今度は触れるだけ。
の温もりを覚えるための、一瞬だけの口付けを。
「早く帰ってくるんだよね?」
「……うん」
その言葉がなにを意味するかなんて、もちろんわかってるから、は俯くように頷く。
こんな風に照れるも可愛いから、僕はを手放したくないんだよね。
「待ってるね。だから今は、行ってらっしゃい」
「うんっ!行ってきます!」
笑顔で君を送り出せば、も笑顔で返してくれた。
「ありがとうキラ、実はちょっと不安だったんだけど、おかげで吹っ飛んだよ」
「よかった。それじゃ、帰ったらもっとたくさんしないとね」
さっきまでの不安な表情は、もう何処にもいなくて、真新しい服に身を包んだは、笑顔で家を出て行った。
帰りもが笑顔でいるように願いながら僕は。
「いってらっしゃい」
の後ろ姿を見て、そう呟いた。
ずっとここで、の帰りを待ってるからね。
END