第5章 Sweet/Heart【キラR15】
「ー!ごはんまだ?」
「あとちょっと待って!!すぐ出来るからっ」
キッチンでいそいそと晩御飯の支度をする僕の可愛い恋人の。
けれど。
「もう限界……」
時間は既に夕食を大幅に過ぎてるし、さっきからお腹が空きすぎて死にそう。
いつも時間通りなのに。
「…………」
なんとなく気になって、がいるキッチンまで様子を見に行ってみた。
キッチンには、真剣な顔して何かを作ってるの姿。
夕食はもうお皿に盛りつけてあるけど。
「、平気?」
「キラっ!?き、来ちゃダメぇ!!」
声を掛けると、涙声で叫ぶ。
どうしたの?
来ないでって言われたけど、つい気になっちゃって。
ゆっくりとの方へ近寄って行って、俯いている顔を覗き込んでみる。
「?」
「キラ、あの……ごめんなさい。私……」
やっぱり泣いてる。
「どうして泣いてるの?」
「だって、チョコ……焦がしちゃって……」
そういえば、なんとなく鼻につく甘ったるい匂いと、焦げ臭い匂いが混じった匂いがする。
でも、なんでチョコ?
「今日、バレンタインなのに」
あ、そうだった。
だからなんだ。
よく見ると、の顔や手にはチョコがついていて、作業台にはチョコになるはずだったものが。