第19章 初詣
「シン?」
「ごめん、が可愛いこと言うから……」
なに?私何か言った!?
思い返してみても、私が言ったのは『自分のお願いごと』だけ。
どこがどうシンのツボにきたかわからないんだけど。
「俺はさ……俺も『これからもずっとと一緒にいたい』ってお願いしたんだよ!」
「それって……」
私と同じこと、お願いごとしてくれたんだ。
ちょっと、どころか……すごく嬉しい。
「う……ぅ……シン……っ」
「はすぐ泣くよな、そこも好きだけど。でもほら、泣くなって!そろそろ行くよ?」
そう言ってシンが手を差し出してくれた。
「うんっ」
シンの手を握れば、その手は優しくて、ホッとするような温もりが伝わってくる。
だから私は、その温かい手を握り締めたまま。
『ずっとずっと…シンと一緒にいたい』
そんな願いを、家に着くまでの間、ずっと願っていました。
「……」
「なに?」
「また来年も、一緒に初詣行こうな?」
夕日に照らされた私たちの足元には、私たちの二つの影。
「うん!!」
「、好きだよ」
「私も、シンが大好き」
お互いの影がもっと近くなって、一つの影になった。
そして夕日の中での甘いキス。
来年も、その次もずっと、一緒に来ようね。
END