第18章 彼女の選択※キラ夢
祈りが通じたのか、ゆっくりと彼女の目が開く。
「あ……私……つっ」
身体中の痛みに意識が遠のきそうになりながらも、の目がキラの姿を捉える。
「……あなた……は」
「っ!」
キラはの手を強く握り締めた。
今この手を放せば、彼女が消えてしまいそうな気がしたから。
「これは……夢?」
たとえこれが夢だとしても、にとってはこの上ないほど幸せだった。
もう一度彼に会いたかったのだから。
「私、貴方に……会いたかった……」
は痛みに耐えながら片方の手を伸ばすと、キラの頬に当てる。
「だから……選んだ、の」
貴方にもう一度会いたかったから。
そう言って彼女は目を閉じた。
「っ!」
慌てて呼びかけると、彼女の呼吸は安定していた。
おそらく、眠ったのだろう。
彼女は穏やかに微笑んでいた。
その手はしっかりとキラの手を握り締めたまま。
次々と機体が自爆する中、彼女は選択を迫られた。
軍に忠実な『駒』としての死か、
『人』として、未来を生きるかを。
そして彼女は。
生きることを選んだ。
fin