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イケメン戦国 ~天下人の妹になる気はないか~

第8章 やくしょく


「...そういえば」
「?」
「お前、秀吉のこと『ひでしゃん』って呼んでるらしいな?」
「あい」
「じゃあ、俺のことも呼んでみろよ」
「...えっと」
「政宗」
「ぁ...?」
「まーさーむーね」
「ま、しゃ...しゃん?」
「『さん』はいらねぇ」
「...ましゃ?」
「上出来だ」

またまた政宗は雪月の頭を撫で回した。若干ボサボサになってしまっている。

「そうだ雪月、金平糖食いたくなったら天主に続く廊下の床板を調べてみろ」
「え?」
「秀吉には内緒だ」
「やく、しょく?」
「あぁ、約束だ」

政宗は自分の小指を雪月の小さな小指と絡ませた。

(こいつ、本当に細いな......)

これからたくさん色んな美味いもん食わせてやろうと、改めて心に誓う政宗であった。











そして、数日後。

「待て政宗!お前また雪月に金平糖の隠し場所教えたな!」

ドタドタと音を立てて走る秀吉。

「さぁ、何のことだろうな!」

逃げ回る政宗。そして...

「にいしゃま、こんぺーと、あっち!」
「よし、良くやった雪月!」

秀吉に捕まらないよう走る信長と彼に抱っこされる雪月。
これが安土城の日常風景になっていた。

「毎日楽しそうですね」
「煩くてかなわないんだけど」
「しかし、よくもまぁ飽きずにやるもんだ」

今日も安土城は平和です。
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