第8章 たすけてください
先生と別の生活を始めてから数日。
私はすごく、戸惑っていた。
(学校の授業って、こんな難しかったっけ……)
それは、記憶が曖昧なせいなのかもしれない。
それにしても、わからないことが多過ぎて、自分自身に軽く絶望しかけた。
そして、周りの子は、みんな個性を持っている。
私は本当に何も出来なかった。
前は…何かあったんだろうか?
考えていても仕方がない。
焦ってはいけない。
遅れを取り戻そうと図書室の参考書コーナーに入り浸る毎日だった。
(ど、どのくらいからわからないかな?)
自分の知識量を確認すべく、遡りに遡って、高校初期以前にまで遡る。
(中学……)
確かに私の年齢は、おおよそだ。
もしかしたら、中学生なのかもしれない。
でも、助けてくれた恩人の為にも、なんとか粘って頑張りたい。
ひとまず、高校の授業の最初はどんなものかとパラパラとページを見た。
(な、何語……??)
数学を諦めた瞬間だった。