第7章 しんどすぎる
二人で入るベッドは、もしかしたら、最後だ。
私は、そんなこと思ってはいけなかったんだろうけど、どうしても、それが寂しいと思ってしまった。
さっきまで抱えられていたのが、懐かしい。
「先生…私、助けてもらえて、嬉しかったです」
「そうか」
「一緒にいてくれるのも、嬉しいです」
「そうか」
「だから、最後に、また触ってくれませんか…?」
凄く恥ずかしいお願いをしているのは、自分でもわかってる。
でも、もう止められそうになくて。
私は泣きそうになるのを堪えながら、一言一句、丁寧に言った。
先生は、意外そうな顔をしたあと、少しだけ笑った。
あまりにも優しい手つきだった。
首もとに掠める髭がどこかくすぐったくて、甘い声と一緒に、くすくすと吐息が溢れてしまう。
私の行きすぎた好意が迷惑になりそうな気がして、それだけは言えないまま、二回目のキスをしてもらう。
恥ずかしいのと、どこか気持ちいいのと。
どこかとろんとした心地よさがあって、私からねだるように唇をまた重ねた。
やっぱり、どこか緊張しちゃうし、慣れないし、手を繋がれて、私のそういう気持ちを和らげてくれるのが嬉しい。
私よりもうんと大人な先生は、余裕そうにたまににやりと笑う。
そんな顔も、好き。
今にも言いそうになってしまう。
でも、きっと、私が嬉しそうに笑ったり赤らめたりしてしまっていたから、そんなことはとうに筒抜けなのかもしれない。
真ん中からとろりとした熱が溢れて、ソコに細く長い指を入れられる。
「あっ…!」
前は、困惑してしまったけれど、今は違う。
私は確かに、その気持ちよさを望んでいて。
「う、んぁ…っ!あ、はぁ…」
奥深くまで入った圧迫感で、息すら出来ない。
「もっと痛くなるぞ、今から力抜けるようにしとけ 」
「え…?」
また、波に飲まれていく感覚に慣れようとしていたのに、急にそう言われてびっくりする。
「い、痛い…?」
「痛い、と思う」
私があまりにもそういうことに疎かったのか、記憶が曖昧なせいなのかはわからないけれど、その行為に続きがあったことに動揺する。
ゆっくりと、暗がりからソレが私の中に入り込んでくる。
それは、確かに、引き裂かれるような痛みがぴりぴりと走る。
「ううっ…あっ…」
「ほら」
と、同意を求めてくるように耳元で優しく言われる。