第50章 【番外編】忍び忍ばず
「研究課題……」
「そうなんです、なので調べもの多くて…」
それでずっと図書室で課題をまとめていたという。
「先生は……?
私に会いたかったのは、その、ソレだけですか?」
不安そうに、寂しそうに見上げられ、そう聞かれた。
「いや……」
確かにそれでは行為だけの為だけに逢ったと思われても仕方がない。
急に照れ臭くなったが、言わざる終えないだろう。
「連休、どこか行くか?」
「!!!!」
彼女は驚いてから、嬉しそうに目を細め、小さく肯定した。
計画を立てよう。
買い出しに行こう。
そんな話をしながら、放課後の図書室を十数年ぶりに過ごした。
「ところで先生…、下着…返してもらえませんか?」
「あ」
何故立ち上がらないのか少し気になっていたが、そういうことか、とスーツのポケットを探した。
出てきたのは丸められた下着と、そこに付く粘りけのあるモノ。
「…………悪い」
「……」